360度研究会について

一般社団法人 360度フィードバック実践活用研究会(通称:360度研究会)

設立の想い

私たちには使命があります。

「日本の多くの企業に360度フィードバックの正しい考え方や活用方法を伝えていきたい」
「360度フィードバックを『人と組織を元気にできる手法』として日本中に広めたい」
「社員の成長、そしてイキイキと働ける組織をつくることに取り組んでいらっしゃる人事の方を支援したい」

360度フィードバックは、「自分自身が思っている姿と周囲から見えている姿のギャップ」、そして「自分の良いところ」「改善が必要なところ」に気づかせ、成長を支援してくれる仕組みです。
人は、誰しも自分の行動を客観的に振り返るのはなかなか難しいことと言えます。
だからこそ、周囲の視点からのフィードバックは、自分の成長にとってかけがえのない鏡になります。

しかし、360度フィードバックの効果は、上記の「気づき」だけではありません。

「エンゲージメントの向上」「働きがいのある職場づくり」「心理的安全性を高める」「ハラスメントを撲滅する」「職場のOJTを機能させる」「1on1を効果的に進める」「職場風土を変える」「若手を成長させる」「離職を防ぐ」そして「人的資本経営」など、多岐にわたる人事課題を解決する手法として有効活用できるのです。

ただ、それらの使い方をご存知ない方、または十分に理解されていない方も少なくありません。
「360度評価」という名称から査定評価的な印象をもたれてしまい、「少し特別な人事評価制度」といったようにかなり限定的な見方をされることが多いと言えます。

また、360度フィードバックを導入した会社の中には、初回実施において多くの対象者に気づきが生じたことで安心(満足)され、そのままのやり方で継続実施されている会社は少なくありません。
しかし、気づきは徐々になくなり、実際の職場状態も期待しているほど改善せず、実施自体がマンネリ化してしまう会社も見られています。とても残念に、そしてもったいなく感じています。

360度フィードバックは、気づきで生じる感情を行動のエネルギーに変えることができます。

効果を高めるためには、さまざまな工夫を講じること。そして何よりも人の“感情”に寄り添った形で実施することが重要です。
安心感のあるプロセス設計があってこそ、フィードバックは心に届いてポジティブな感情を生み出し、行動変容につながります。

本研究会は、「360度フィードバックという手法に興味がある方」はもちろんですが、社内において人や組織の問題を抱えていらっしゃる方にとっても新たな発見がある有意義な場にします。

上記のとおり、多くの組織問題の解決につながる活用方法もビジネスコラムや勉強会、セミナーなどで解説していきます。

これまで30年以上、大手・中堅企業を中心とした200社以上の導入・支援を積み重ねてきました。
本研究会では、それを通じて得られた実践的な知見やノウハウを無料で公開していきます。

そのことで、より多くの対象者の行動が改善され、エンゲージメントも向上。結果として高い成果の創出につながる強い組織がつくられることを願っています。

私たちはその未来を実現するために、ここから歩みを始めます。

2025年11月のスタート時点では、コンテンツはまだ少ないですが、皆さんからのご要望やご質問などを受けながら、お役に立てる内容をどんどん拡充していく予定です。

本研究会は、人事部門の方々が安心して学んでいただけるために、人事部門限定の会員制としています。
本サイトだけでも基本的なことを学ぶことができますが、会員専用サイトの中で多くの情報を提供していきます。

なお、会員登録されてもこちらから営業アプローチすることは一切ありません
また、会員登録や会員専用サイトの閲覧や資料のダウンロードなどの利用、そして勉強会やセミナー、人事交流会などへの参加も全て無料となっています。

ぜひ有意義に活用していただき、360度フィードバックの幅広く、そして深い理解につなげてください。

活動内容

360度フィードバックに関して、主に以下の活動をしています。

.導入・活用ノウハウ、活用事例情報の発信
.対面での勉強会やオンラインセミナー、人事部交流会、情報交換会などの開催
.初めての導入における個別アドバイス(無料個別相談)
.継続実施に向けて、より有効活用につながる個別アドバイス(無料個別相談)

なお、私たちは “中立的な立場” での情報発信を信条としています。

情報発信や個別無料相談などでのアドバイスをさせていただきますが、実際のコンサルティングや研修に関する納品自体は自ら行わないことを原則としています。
個別相談などでお話をお聞きし、貴社の状況にフィットするであろう信頼できる外部委託者(サーベイ会社、コンサル会社、研修会社など)を紹介、または候補会社の提示などをいたします。
その際は、単に紹介するだけでなく、委託する場合の留意事項なども含めたアドバイスや必要に応じてフォローさせていただきます。
常に人事部門に寄り添ったスタンスで活動していきます。

情報プラットフォームの活用方法

情報プラットフォームは、「本サイト(現在ご覧になっているホームページ)」と「会員専用サイト」の2つから構成されています。

1本サイト」には、360度フィードバックの全体像や基本的な内容、そして新着情報、イベント(勉強会、セミナー、交流会など)情報を公開しています。
2会員登録していただくことで「会員専用サイト」にログインできます。
ただし、会員登録は企業の人事部門の方に限定しています。
会員登録後に、事務局にて内容確認させていただき、登録後に通知をお送りいたします。
会員専用サイト」では、
「本サイト」では一部しか確認できなかった記事や情報などの全てをご覧いただくことができます。
なお、2025年11月スタート時点では、「本サイト」「会員専用サイト」とも公開している情報量は必ずしも多いとは言えませんが、今後継続して新しい情報を追加していきます。
会員の方には、毎月1~2回、新着情報についての案内メールが届きます。(営業メールではありません)
3本サイト」の中に用意している【無料相談】は、会員の方はもちろん、会員でない方にも自由に質問、相談いただくことができます。
個別のご事情やお悩みをお聞きしながら、貴社にとって適切なアドバイスをいたします。
なお、他の会員は、相談のやりとりを見ることができませんのでご安心ください。
相談のやりとりは、基本的にはメールを通じて行います。ご要望をいただければ、Zoomや訪問でのミーティングに応じることもできますので、気軽にご相談ください。

理事メンバー

代表理事:藤原誠司

私は、20代に在籍したリクルートで360度フィードバックを受けたことで、ビジネス人生が大きく変わりました。
この時の感動がきっかけとなり、その後30年以上に渡って360度フィードバックのサービス提供やコンサルティングに従事してきました。ビジネス人生のほとんどを360度フィードバックと共に歩んできたと言っても過言ではありません。

人事測定研究所(現リクルートマネジメントソリューションズ)では360度フィードバックの拡販責任者やコンサルタントに従事し、その後、360度フィードバックに専門特化したSDIコンサルティングを立ち上げ15年経営しました。
そして360度フィードバックのシステム最大手CBASEにてエグゼクティブコンサルタントを務めてきました。
自ら直接支援してきた会社数は200社以上、部下や同僚の支援も含めると300社以上の導入・活用支援に関わっています。

これからは、数多くの支援経験から得た実践的な知見を提供しながら、360度フィードバックを正しい形で普及させ、そして更なる有効活用の支援を行いたい。
そのような想いで、本研究会を立ち上げました。

多くのビジネスパーソン(特に若手)がイキイキとして本来の力を発揮し、活力あふれる組織づくりに貢献していきたい。
そんな気持ちに溢れています。

360度フィードバックの新たな可能性を発見しながら、より良い活用方法について一緒に学んでいきましょう。

■360度フィードバック(360度評価)に関する人事専門誌への執筆

『労政時報』への執筆
  • 2004/01/02 総合解説文「多面評価制度 導入と運用の勘どころ」
  • 2016/07/09 総合解説文「360度フィードバックの制度設計と運用のポイント」
『WEB労政時報』への連載執筆
  • 2009年6月~7月 「360度評価による人事マネジメントの再構築」(計4回)
  • 2025年11月~12月 「360度フィードバックの現状と今後に向けた課題 」(計4回)
『月刊人事マネジメント』への執筆
  • 2000年7月号 特集記事「バリューマネジメント 360度評価を活用したバリュー浸透策」
  • 2013年1月号 コラム「360度評価を最強のツールに」

■書籍

  • 『人事評価の運用実務(共著)』 2021年 労務行政研究所
  • 『フィードバックが人と組織を大きく変える』 2013年 アート印刷出版
  • 『経営学用語辞典(共著)』 2004年 宣協社
  • 『人事戦略30テーマ実務マニュアルファイル(共著)』 2002年 アーバンプロデュース社

■その他

経営行動科学学会(第3回年次大会2000年)
  • パネラーとして登壇「日本の360°多面観察評価vs米国の360°多面観察評価」
金融財政事情研究会(2014年度金融機関人材開発シンポジウム)
  • 講演「能力開発や組織活性化を支援する360度フィードバック」

理事:須東朋広

専修大学 商学部 特任教授/一般社団法人 才知修養学舎 代表理事

現在のように先が見えないVUCA時代では、チームを引っ張っていくカリスマ性よりも、チームの多様性を生み出す支援者型のリーダーシップが必要となりました。多様性を生み出し、インクルージョンしていくためには働いている人達が「個⼈が帰属感を持ち、⾃分らしさを発揮できる状態」にならないといけません。よってリーダーはメンバー一人ひとりと向き合って、その人が上記のように思ってもらうこと、そして能力を引き出すことが求められます。

リーダーが一人ひとりと向き合うためには対話することが必要です。対話するときにはその人に対する客観的なデータが必要になります。その最も有効なツールが「360度フィードバック」です。

「360度フィードバック」は様々な方々(上司、先輩、同僚、部下など)からフィードバックを集めて、対象者の行動を多面的に評価する手法です。

フィードバックが、本人の心に響いて腹落ちしポジティブな感情になることから始まります。そうして主体性を発揮し行動変容していきます。

しかし、対象者の行動を多面的に評価する上で、様々な方々全てからポジティブなフィードバックをもらえる訳ではありません。その人が実際に行動した事実のみを客観的に取り上げ、評価できる人はほとんどいません。その人の感情から認知したことを主観的にフィードバックすることは少なくなく、とても嫌な気持ちにさせ、モチベーションを下げることがよくあります。モチベーションが下がったことで、行動の質も量も落ち帰属感(エンゲージメント)も下がってしまうこともしばしばあります。

今までは、言われたことをいかに早くかつ正確にこなすかが求められてきました。目的をもって主体的に取り組んでイキイキと働いている人を、否定し潰す「悪害な」フィードバックをする評価者もおり、働いている人達を疑心暗鬼にさせ、エンゲージメントが低下してしまうケースも散見されます。

そういった意味では360度フィードバックが正しい運用されてきたかというと疑問です。

多くの社員が「個⼈が帰属感を持ち、⾃分らしさを発揮できる状態」になるためには、360度フィードバックは不可欠です。そのための正しい運用の在り方・事例を学んでいただければ幸いです。

経歴

日本初の人事責任者向け団体「日本CHO協会」を2003年に立ち上げ、事務局長として8年半務める。2019年「日本CHRO協会」事務局長として協会の立ち上げに従事。2020年、日経新聞・日経BPの共催による人事役員(CHRO)だけで人的資本経営を議論するコミュニティ「Human Capital Committee」の立ち上げに参画、企画・運営に携わっている。

2011年インテリジェンスHITO総研(現パーソル総研)を立ち上げ、中高年・女性躍進・障がい者雇用・転職人材・正社員の雇用やキャリアの研究をリサーチ部門の責任者として5年間務める。

調査研究において、組織内で言いたくても言ない社員が増え、マジョリティ化しつつあることが、国も企業も人材も成長できない根源的な理由であると確信し、2016年から誰もがイキイキ働き続ける社会を実現するために一般社団法人組織内サイレントマイノリティを立ち上げる。

また、80歳現役でイキイキと働き続けられる社会を創るために、日本企業のCHROの方々と「人生100年80歳現役社会創造コンソーシアム」「日本人材戦略コンソーシアム」を立ち上げる。

   

主な著書

  • 『CHO~最高人事責任者が会社を変える』(共著・東洋経済新報社)
  • 「キャリア・チェンジ」(共著・生産性出版)
  • 『人材マネジメント革命』(日経BP)
  • 論文 『人事部の新しい時代に向けて』『人事部門の進化;価値の送り手としての人事部門への転換』『キャリア開発とその成果』(産業能率大学紀要、共著)など。
  • 学会発表や人材関連雑誌など寄稿多数。

略歴

2012年4月経済産業省「人を活かす産業」有識者メンバー
2013年4月厚生労働省 雇用政策調査検討委員 有識者メンバー
2014年4月文部科学省 教学評価体制開発評価委員
2014年7月厚生労働省 雇用ミスマッチ解消のための人材ニーズ研究委員
2017年~2018年公益社団法人日本生産性本部 雇用・キャリア開発センター客員研究員
2018年~2020年経営行動科学学会 理事
2020年日経BP 総合研究所 客員研究員 現在に至る

運営事務局

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