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360度フィードバックの個人結果の返却  施策の成否を左右、実施効果が格段に変わる

  • 360度FB基本を学ぶ

個人報告書における留意点

定量的情報(段階回答結果)と定性的情報(フリーコメント)を対象者にとってわかりやすく表現することが求められます。

外部業者のシステムを使用する場合は、その会社が提供する標準報告書を使用することになります。
各社によって長所や留意点などがあります。
外部業者によっては、お客様ごとに要望に合わせたカスタマイズができるサービスを提供しています。
ただ、よかれと思って多くの情報を個人報告書に表示してしまうと、大事なポイントを捉えることが難しくなり、対象者のためにならないことも少なくありません。

なお、自社で使用しているタレントマネジメントシステムによって実施される場合は、個人報告書が対象者本人にとって必ずしも見やすい形式でないことも多く見られています。
その場合は、システムから出力されるデータをエクセルなどを活用してわかりやすい個人報告書を作成することをお勧めします。

【無料個別相談】経由でご相談いただければ、適切な方法をアドバイスいたします。

安易に考えるべきではない「個人報告書の返却方法」

個人結果(報告書)の返却は、実施効果に最も大きな影響を与える極めて重要な場面であると言えます。
対象者本人への返却は、最近は主に以下の2つの方法があります。

1つめは、システムから本人がダウンロードする方法です。
この方法は、人事部にとって手間が少なく効率的です。しかし、返却後は本人任せとなってしまうため、結果解釈に誤解が生じたり、「気づき」が少なくなります。結果が好ましくない人ほど自分の結果に向き合うことを避け、せっかくの機会を放棄してしまうことが懸念されます。
便利な方法であるだけに、人事部の方は安心することなく何らかの工夫を講じることが求められます。ここが大きな成否を分ける大きな鍵となっています。「実施したけど思ったほど効果がなかった」と感じられた場合は、ここに原因があることが多いと言えます。

2つめは、「結果解釈の説明会」や「フィードバック研修」を通じて返却する方法です。
この方法は、全ての対象者に対して正しい解釈方法を伝えることができます。何よりも、その場で自分の結果に向き合わせることができるため、実施効果が高いと言えます。
なお、オンライン研修の場合は各対象者が事前にシステムからダウンロードしておき、その上で研修に望むことになります。この場合においても、初めて対象となった方にはダウンロードした際に、少なくとも結果解釈上の留意点だけは伝えておく配慮が重要です。

少なくともやっておくべき「結果解釈の説明会」

360度フィードバックの結果解釈を本人任せにせず、正しく解釈させることを目的としています。
個人報告書の読み取り方や解釈の際の注意事項なども解説します。
短い時間ながらも自己分析のためのワークを組み込むケースもあります。

【個別無料相談】経由でご相談いただければ、貴社のご状況に合わせたアドバイスをいたします。

実施効果を高める最大の鍵「フィードバック研修」

「結果解釈の説明会」の進化バージョンと言えるものです。
360度フィードバックの結果を正しく解釈させるだけでなく、自己分析の個人ワークやグループワークを活用して理解を深める研修です。
対象者に「気づき」を与えるだけでなく、気づいた後の行動変容を促すプログラムを組み入れる研修などがあります。
ここには多くの工夫を講じることができ、各社の課題状況に合わせた様々な研修が考えられます。

自社内で実施するケースもありますが、外部の専門会社に委託することも多いと言えます。
ただし、外部業者によって研修プログラム内容は様々であり、講師の質は格差も大きく、研修効果にもばらつきが多いと言えます。
自社の状況を踏まえて適切な研修プログラムを提供し、効果的に実施してくれる外部業者を選定することが最大の鍵と言えます。

なお、新任管理職研修以降は管理職に対してマネジメント研修をきちんと実施している会社は少なくありません。
それだけに、研修受講後は意識も高揚し、研修受講者アンケートにはそれほど悪い結果にならないことが多く見られています。しかし重要なことは、その研修によって管理職の実際の現場(職場)での行動が変化し、組織状態が改善しているかどうかです。
一度の研修実施によって満足されることなく、継続的に工夫しながら取り組まれることが期待されています。

【個別無料相談】経由でご連絡ください。貴社のご状況や予算などを踏まえたアドバイスや適切な外部業者などもご紹介可能です。