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360度フィードバックによる行動変容を継続させるために  個々へのアプローチも重要

  • 360度FB基本を学ぶ

フォロー施策の意義・効果とは?

個人報告書を対象者本人に返却し、「結果解釈の説明会」や「フィードバック研修」などを通じて対象者に気づきを与えたことで、満足されてしまっている人事部の方も少なくありません。
しかし、「気づかせるだけでは不十分であること」を人事部の方はきちんと認識すべきです。大事なことは、「気づかせること」はあくまでスタートであり、その後の行動変容、そのことによる組織成果の向上させることです。
そのために、実施後の適切なフォロー施策が重要となってきます。

例えば、「意図せぬ結果に対してショックを受けている対象者」「自分の結果にきちんと向き合えず放置している対象者」「結局、自分は今後何を行えば良いのか悩んでいる対象者」へのフォローがあります。説明会や研修後に放置してしまうと、ネガティブな行動につながってしまう恐れもあります。

また、「結果解釈の説明会」や「フィードバック研修」の終了後は意識が高揚するものの、職場での忙しい業務に戻ってしまうことで、360度フィードバックで気づいたことや改善に向けた意識が薄れてしまうことが、多くの対象者に見られています。

「結果解釈の説明会」や「フィードバック研修」が終わったからといって放置することなく、人事部として何らかのフォローを講じることも重要と言えます。
360度フィードバックの実施効果をしっかりと高めるためのフォロー施策の一例として、「ワークショップ」「個人面談(上司)」「個人面談(社外専門家)」があります。

自社内でも運用できる「ワークショップ」

個人報告書を自己分析し、今後に向けたアクションプランを立案しても、日々の忙しい業務に忙殺され、改善に向けた意識が徐々に低下してしまう対象者が多く見られています。
そのため、アクションプランを立案してから3か月~半年後を目安に、対象者に対してワークショップ(オンラインでも可)を実施することをお勧めします。

ワークショップの狙いは、主に2つです。
1つは、意識の継続化(リマインド効果)です。
そしてもう1つは、アクションプランに取り組んだ状況の共有とアドバイス交換です。実際に改善アクションによって「うまくいったこと」を共有していただくことは、他の方へのプラスの刺激となります。

一方、改善アクションに取り組めなかった方、もしくは取り組んだけど上手くいかなかった方にとっては、自分の不甲斐なさを感じさせることで、今後に向けた意識付けにつながります。
このワークショップ運営は、人事部でも行うことができます。
または外部の専門家に依頼し、効果的なプログラム設計と適切なファシリテーションによって効果を更に高めることもできます。

個人面談(上司) あるべき姿だが効果は分かれる

対象者の業務、現在おかれている状況、強み・弱みや性格などの持ち味を一番理解している近くの存在は「上司」と言えます。
それだけに、対象者にとって納得感の高い現実的なアドバイスができるはずです。何よりも、上司の存在は大きいためにフォロー効果は高くなりやすいと言えるでしょう。

ただし、上司の力量(面談力)によって面談の効果にはばらつきが生じます。そのため、上司向けに「フォロー面談の進め方研修」などを実施されている企業もあります。
「フォロー面談の進め方研修」には、様々なプログラムが考えられますが、面談に慣れていない上司が、360度フィードバックの結果をうまく活用して、適切なアドバイスができるようになる内容とすることが求められます。
ご興味ある方は、【無料個別相談】経由でご連絡ください。

個人面談(社外専門家) プロによる腕の見せ所

360度フィードバックの結果が低い方、特にハラスメント的な言動が目立つ方、自分の弱みを認めようとせず、改善への意識が低い方もいらっしゃいます。特に役職が高い方への対応は、人事部にとって悩ましい場合もあります。
これらの方々は集合形式(オンライン含む)の研修を受講しただけで行動を変えることは難しいでしょう。
変わらない理由としては「意識の問題」が大きいのは当然ですが、単にそれだけでは片付けてはいけません。その背景には、複雑な心理や現在の職場の事情、本人のスキルなど様々な要因が絡み合っていることも少なくありません。

その際に、客観的な立場であり、何よりも社内のしがらみがない社外専門家を活用した個別面談は一定の効果が期待できます。
傾聴を軸としたコーチングの手法を使う専門家もいれば、コーチング的なアプローチはするものの、コンサルタントとして的確に対象者の課題を指摘して適切なアドバイスを行う専門家もいます。