コンテンツ

なぜ管理職は360度フィードバックに抵抗するのか?

  • ビジネスコラム

あなたは人事担当者として、マネジメント力強化のために360度フィードバックの導入を企画したとします。

経営層の承認も得て、いよいよ実施という段階になったその時、施策の対象者である管理職たちから、次々と反対の声が上がってきました。

「部下が上司を評価するなんて、うちの会社の文化には合わない」
「好き嫌いで評価されたら、部下に厳しい指導ができなくなる」
「そもそも、経験の浅い部下に、私の何が分かるというんだ」

熱意をもって準備してきた施策に対し、当事者から思わぬ抵抗にあう。

これは、多くの企業で新しい人事施策を導入する際に起こりうる、非常に現実的な場面です。

こんな時、あなたならどうしますか?

「反対意見」という氷山の一角

まず大切なのは、表面的な反対意見を、そのまま鵜呑みにしないことです。管理職から挙がる声の多くは、氷山の一角にすぎません。その水面下には、言葉には出されない、もっと根源的な感情が隠されています。

「他人から評価されることへの不安」であり、「部下から指摘されることへの抵抗感」などが主な感情と言えるでしょう。

キャリアを重ね、管理職という立場になると、他者から自身の仕事ぶりについて直接的なフィードバックを受ける機会はかなり少なくなります。

そして、いつもは「評価する側」であった自分が、いきなり「評価される側」、それも複数の部下からも多角的に見られる立場におかれる。
これは、長年かけて築いてきた自負やプライドを揺るがしかねない、非常に大きなストレスが生じます。

この不安や抵抗感があるからこそ、「制度の欠点」や「自社の文化」といった、もっともらしい理由をつけて反対してしまうのです。

「論破」ではなく「翻訳」で向き合う

この水面下の感情を理解せず、表面的な反対意見の一つひとつに「それは違います」と論理で対抗しようとしても、相手は心を閉ざすばかりで、事態は好転しません。

人事部に求められるのは、彼らを論破することではなく、彼らの不安を理解した上で、施策の「目的」を丁寧に翻訳し、伝え直すことです。

「360度フィードバックは、決して管理職の能力をランク付けしたり、弱点をさらけ出したりするための評価ツールではない」

この大前提を、組織全体で共有する必要があります。
では、具体的にどのように翻訳すればよいのでしょうか . . . . .

続きは、会員専用サイトにてご確認ください。

会員専用サイトでは本コラムの全文はもちろん、他の全てのコラムもご覧いただくことができます。